(このコーナーのデータの転用、引用などは、一切お断りします。)

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 全熱交換型換気扇の使用感

1 かなり快適だと思います

1999年新築とともに導入しましたが、高気密高断熱の住宅や全熱交換型換気扇については、初めから懐疑的なところがあって、家が出来上がってからもいろいろと調べたりしました。また、夏場、家の中がかなり暑いこともあって、天井の断熱が不十分じゃないかとかメーカーともいろいろと打ち合わせをしました。その結果、4台ほどデジタル自動記録型の温湿度計(温度取りTR72S)を提供してもらい、家の中の温度も測定することにしました。

いろいろなことをしましたが、最近は、全熱交換機の性能がどうだろうかと言うことで、測定を2年ほどしています。結果を見るたびに沢山の疑問がでてきて、素人では、判断ができなかったり、もっと別のところの計測をしないと、原因がわからなかったりで、こんなことをしている意味がわからなくなってしまっていますが、面白いことも沢山でてきました。

結論的には、計測した結果よりも、生活実感の方があっているように感じます。

2 冬場の効果は、相当ですが

その生活実感は、冬はとても快適です。暖房を少しけちってきましたので、多少、寒いと感じることもありますが、家の中どこでも、暑過ぎず、夜中テレビを見ながらうたた寝をすると少し寒いぐらいの程度で、明け方の一番寒いときでも、家の中は、16、17度程度です。問題は、乾燥ですが、油断をすると湿度は30%台になってしまいますので、加湿器で水分を補給しています。熱交換機の効果として、給気を暖めたり、湿気を戻してくれてはいますが、それだけで、何もしなくてもいいと言うことにはならないようです。

3 夏場の問題

春、秋は、何の問題もありませんが、問題は夏です。正確に言えば、5月から9月までです。真夏はもとより、5月、9月でも暑い日は、夜まで熱気が抜けません。明け方でも、最低気温が25度以上になることがあります。真夏の暑い日には、最低気温でも28度を超えてしまいます。

最大の原因は、家の性能です。冬は断熱効果が高いので、夜も室温はそれほど下がりませんが、夏でも同じです。断熱性能が良いことの証明のようなものですので、仕方がないといえば、仕方のないことだと思います。

もう一つの原因は、生活の仕方です。24時間冷暖房をすれば問題は解決するでしょうが、ちょっと、電気代がもったいないとのこれまでの生活習慣は変えられません。また、夜、窓は防犯上と騒音の問題で開けていませんので、この影響が大きいと思います。今のところ、生活習慣を変えてまで夏の生活の仕方を変えようとは考えていません。

熱交換機も、夜の部屋の暑さ持続に一役買っているとも言えますが、冬場のように外気と室温の差が大きくないので、目くじらを立てるものでもないと思います。試しに、熱交換をしないよう、熱交換機に代わる非熱交換ユニットを自作し、取り付けて効果の程を判定してみたいと思います(この試作は、SH-MLで紹介してもらったアイデアをいただいたものです。感謝!)。

4 コールドドラフト

これは冬場の問題です。問題というと致命傷的な響きがありますが、そういった類の問題ではありません。いくら熱交換された空気でも、温度はやはり低いので、給気口の真下で寝ると寒さを感じます。よほど特殊な状況ですが、寝室などでの給気口の位置は注意が必要です。

5 小さな虫が入ってくる

窓を閉めているのもかかわらず、小さな虫の死骸がちらほらとありました。特に、給気口の下にたまっているようで、換気設備から入ってくるものと思われました。換気扇のフィルターには、かなりの数の虫の死骸があったので、結論としては、ここから何らかの原因で、入り込んだものと思われます。メーカーとも幾度と協議させていただき、外の取り入れ口に金属ネットを張ることにしました。網の目はかなり細かくて(多分100〜200ミクロンのメッシュです)、取り入れ口の大きさよりも大きめのものをつけてもらいました(こうしないと網が詰まってきたときの抵抗が大きくなって換気扇には好ましくないと思います)。これを取り付けて以後は、虫の進入はみられませんので、原因は、換気扇に虫が吸い込まれたことだろうと結論できます。

この網には、虫はそれほどつかないようです(多分、吸い込みの流れが速くないので、引き寄せられないものと思います)。掃除もそれほど面倒ではなく、ちょっとした改造でより快適になりました。試作防虫ネットをつくってくれたメーカーさんに感謝です。

6 汚れとメンテナンス

熱交換換気では、フィルターの掃除を毎月、フィルターの交換を1年毎、熱交換機の掃除を3ヶ月(記憶違いかもしれません?)に1回するように説明書で記載されています。結構大変だと嫌われている方も、掃除を面倒がられている方も多いようです。

確かに、熱交換機は天井裏に設置されているので、フィルターなどを取り出すのには台に乗って上向きになって作業をしますので、お年寄りの方などには大変かなと思います。こういった点は、改善する余地があるのではないかと思いますが、これを理由に、NGをだされるのには賛同できません。

ところで作業の頻度などですが、我が家の場合、フィルターは、3ヶ月に1回、熱交換機は1年に1回程度で十分ではないかと考えています。フィルタの水洗いなどを年末の大掃除の時に行います。ついでに掃除できる範囲は、頭をつっこんで拭き取りなどを行います。フィルターは、この6年の間に1度交換しました(メーカに別件できていただいた折にいただきましたのでラッキーでした)。掃除などの頻度は、地域によって空気の汚れ具合も違うので一概には言えないでしょうが、汚れの具合を見て、柔軟にすればいいと思いました。

経験から、各部屋に給気されている給気口などが、樹脂などでできていますが、これは結構こまめに拭き取りをしています(1ヶ月に1,2回程度)。静電気の影響もあるのか、すす状の汚れがうっすらと付いているようです。別に、きれいにするまでのことはないようですので、趣味の問題といえば、趣味の問題ですが、10カ所あり、台に乗って上向きの作業になります。これと同じ作業が、照明機器の掃除です。ですから、掃除も一つだけの問題ではないようです。しからばパイプの中はと心配になりますが、その話は別の話題で紹介します。

7 換気設備の断熱処理など 

これは結論がでていませんが、換気設備は、ダクトを含めて断熱処理をしっかりしていないと、問題を生じたり、結果オーライでたまたま問題とならなかったり、がありそうです。(導入時期が6年前と古いので、新しいものでは多少改良されているようです)

(2005年7月9日作成)

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 換気設備の選定と問題

全熱交換型の問題を指摘する声は、沢山聞かれます。どこまでが考慮すべきなのかは、大変に難しい問題です。私なりの結論、あるいは、問題についての考え方を述べます。

1 コスト・ベネフィット

全熱交換換気システムの導入費用もさることながら、消費電力量も大きいのでメリットがないといわれています。このときに注意する必要があるのは、計算の前提条件です。当然ながら、比較対象の機器を明確にしなくてはいけません。更に、温度、湿度環境も重要です。室内、屋外の気温などの条件をどのようにするのかによってベネフィットも変わってくると思います。
具体的に効果が出てくるのは、冬場です。資料によっては、夏も効果があるように書かれていますが、温度の測定結果からは、夏は、メリットがありません。効果としては、給気される温度と湿度の両方です。(顕熱と潜熱)この両方の効果と電気代などのランニングコストとを比べて、試算しますと多少効果が出る程度ではないかと思います。従って、全熱交換第1種換気とするのか、排気型の第3種とするのかは、金銭的な問題以外のことを考えて、選定するのがいいと思います。

2 パイプの汚れ

排気ならいざ知らず、給気では、パイプやフィルターにたまった塵、はたまたカビが給気されることとなるとか、その恐れが大きいので、不健康なシステムだと言われることもあります。
6年経過でパイプの汚れをみると、恐れているほどには、汚れていないようです。一般的には、このことが致命傷になるとは考えられません。いろいろな情報や経験からしても、換気を長期に亘って止めたりしない限りは、問題がないと思っています。

3 パイプの太さや品質の問題

パイプの太さの問題も、いろいろといわれていますね。5cmの径では小さすぎるとか。蛇腹のダクトでは、抵抗が大きすぎるとか。はたまた、塩ビ製品では、問題があるとか。いろいろなことが言われています。塩ビ製品の問題を環境問題として不可であるのでしたら、これはどうしようもありません。
パイプの太さや抵抗などの問題は、ホリエモンの言うところの想定の範囲内ですので、指摘することに意味があるとは思えません。一般論として抵抗が大きいと言うことは間違いではありませんが、だからといって、モーターが不経済であると言うことにはつながりません。モーターなり、換気扇の圧力―風量の特徴から問題となることはないと考えます。
それでも、パイプの抵抗にこだわられても、抵抗で大きなものは、パイプよりも、吸い込みとかの局所的な抵抗(熱交換機の抵抗も大きそうですが)が大きいことを忘れてはいけません。目に見えやすいものばかりに気を取られると本質を見誤りやすいです。

4 メンテナンスの問題

フィルターなどの掃除、交換は、定期的に実施(毎月1回)する必要があるが、実態として、何年間も掃除をしていないことの方が多く、これによる弊害は、計り知れない。また、メンテナンスがしづらい構造であり、このような問題意識を持った設計になっていないとの指摘があります。
このメンテナンスの問題は、今後大きな話題になるように思われます。ただ、揚げ足取りのような指摘が多いので、本質は何かを見極める必要があると思います。確かに、熱交換機の部分はメンテナンスを考えて改善すべき余地がありますね。

5 夏場の問題

夏場の問題は、夕方から朝まで外気の気温は下がってくるが、室内は、高断熱のために温度が高く、暑苦しい夜になっており、熱交換システムでは、外の涼しい風も熱交換して熱い空気を供給することになる。
これはその通りのようです。しかし、どちらかというと針小棒大な議論です。室内と外気の温度差は、冬場とは違ってとても小さくなっています。従って、そのような議論をすることの意味がほとんどありません。(だだし、実態上は夏場には別の問題があるように見受けられます。これは、我が家のみの問題なのか、換気ダクトの断熱が一般的に問題なのかがわかりませんので、現段階では、問題として指摘できませんが。。。)

6 においなどが熱交換で戻ると言われる問題

全熱方式は、使用している膜が和紙の原理を応用していると言うことで、水蒸気とともに、ウイルス、におい、VOC、その他の有害物質を湿気並みに(効率でゆくと60%も)戻すのではないかという指摘です。よく引用されるのが、北海道住宅新聞の記事です。
少なくとも熱交換膜は和紙ではありません。簡単に空気を通すような代物ではなく、膜を通した漏気は5%以下となっています。分子単位で物を通しにくくできていると考えられるので、においなどの漏れは、漏気と同じ程度と考えていいのではないでしょうか。ではどうして水蒸気だけを通すのでしょうか。良くはわかりませんが、分子単位で水蒸気はとても小さい粒子だと考えることができます。このため、水蒸気は、圧力差によって膜を通りやすいと考えられます。ここら当たりの情報をメーカーももう少し開示してくれるとわかりやすいのですが。。。

7 排気の位置の問題

排気の基本が、新鮮な空気を取り入れ、トイレやクローゼット、浴室など汚れたり、湿気の多い空気を直接に排出することにある。とすると、熱交換システムは、これらのところからのものは、交換不適であるので回避してシステムができているので、換気の体をなさないといった指摘です。
これはその通りです。しかし、汚れた空気といっても、許せる物なのか許せない物なのかを良く考える必要があると思います。理想的なシステムとそれよりも劣るが実用上問題のないシステムであればどちらでもいいのではないでしょうか。クローゼットの空気が、しまっている物にもよるでしょうが、部屋に出てきても、個人的には、問題を感じません。トイレのにおいはちょっと勘弁してほしいとは思いますが。。。

8 いわゆるコールドドラフト問題があること

コールドドラフトは、冷気がどことはなく降りてきて寒く感じるといったところでしょうか。ですから冷たい風とはちょっと違うように思います。窓際に座っていると背中が寒く感じたり、換気の外気取り入れ口から冷たい空気がじわっと降りてくるような状態です。よく間違われるのは、エアコンの冷たい風や換気の給気口に手をあてて冷風をコールドドラフトであると思われていることです。空気は、ある程度勢い良く流れていると周りの空気と撹拌されて、いわゆるコールドドラフトは起こりにくくなります。しかし、ゆったりと流れてくる空気は周りの空気とは撹拌されずに冷たい空気ですと、ゆっくりと下に降りてきます。これがコールドドラフトです。窓際や第3種換気の給気口では、これが起こりやすいと言われていますが、熱交換した第1種の換気でも、程度の差はあれ、この現象が生じるようです。人が動かずに冷気が降りてくる真下でなければそれほど感じないと思われますので、寝室など部屋の空気が動かない場所では注意が必要です。簡単に言えば、冷気の降りてくる真下を枕元にしないということで問題は解決されると思います。

9 自分なりの結論と今後に期待するもの

全てにわたって、優良な換気システムがあれば、何の問題もなく、特定のシステムに集約されると思います。そうならないのは、メリット、デメリットがあって、何に重きを置くかで選択が変わってくるからだと思います。
イニシャルコストの問題、ランニングコストの問題、コールドドラフトの問題、外の騒音の問題、においの問題、メンテナンスの問題、気密性能の問題、その他の問題これらを総合的に考えて、我が家は何がいいのか、を考えることになると思います。残念ながら情報不足であったり、些細な問題をいかにも重大問題のようにあげつらったりする意見がまことしやかに出てきたりで、何を判断材料にすればいいのかと迷ってしまうことも多々あります。特効薬はないので、ご自分で納得のゆくまで調べる以外には解決がないのがつらいところですね。

その中で、常々思うことは、家は、宇宙船などと違って厳密な気密性などはないこと、どちらかといえばどんな立派な高気密住宅でも穴だらけの家と言ってもいいのではと思います。そうすると、換気設備ももう少しおおらかなものがいいのかと思ったりします。換気量などは法令で定められていますが、それをクリアーして最もシンプルでコストの安いものなどを考えるのも手ではないかと思います。高気密高断熱住宅の大家といわれている南雄三氏のHPhttp://www.t3.rim.or.jp/~u-minami/index.shtml )で紹介されているような中気密の家というのも、家を考える上でとても興味深いものだと思っています。高気密だの、高断熱だの、いろいろなこだわりは、時として、了見を狭くし、本質を見失うこともあるように思えてなりません。

 (2005年7月9日作成)

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・全熱交換換気のコストベネフィット、加湿器のコスト

熱交換機の仕組み

全熱交換型の換気設備は、換気で取り入れる外気の温度を室内からの排気の温度と熱交換(顕熱交換)するとともに湿気についても交換(潜熱交換)し、乾燥した冷たい外気に湿度と温度を加える効果があるものです。
熱交換率を60%とすると次のような交換が行われます。(なお、外気の条件は、我が家の冬場12月から3月までの計測結果です)

         室内                           屋外

  温度℃   湿度% 水蒸気量g/m3           温度℃   湿度% 水蒸気量g/m3
   20.0    45     7.8     →→→→    11.7    55     5.8
                           熱交換機
  温度℃   湿度% 水蒸気量g/m3           温度℃   湿度% 水蒸気量g/m3
   14.5    51     6.4     ←←←←     6.2    60     4.4

計算条件

 たくさんの前提条件を決めます。
  家の大きさと換気量:家の延べ面積120m2、換気量150m3/hr
  空気の物性:重量1.2kg/m3、比熱1.0kJ/kgK
  水の物性:比熱4.2kJ/kgK、潜熱2250kJ/kg(蒸発に必要な熱量)
  灯油:単価45円/リットル、発熱量10.5kwh/l、暖房効率90%
  電力:単価25円/kwh、エアコン暖房効率3.0(COP値)
   なお、すきま風などは考慮しません(超高気密???)。
      この条件からエアコン     の1kwhの単価:8.3円
               石油暖房             :4.8円
               電熱式加湿器          :25 円

計算と結果

 顕熱(温度の部分です):熱交換によって8.3℃空気が暖められます。
  1時間あたりの熱量
    8.3℃×1.2kg/m3×150m3×1.0kJ/kgK÷3600秒  =0.42kwh
    1ヶ月では、約300kwhに相当します。
  従って、熱交換換気による節約額は、
                             1ヶ月       1年(冬期4ヶ月分)
      石油暖房の場合            1,400円       6,000円
      エアコンの場合             2,500円      10,000円

 潜熱(水蒸気の分です):熱交換によって、2g/m3の湿気が戻されます。
  1時間あたりの熱量
    2g/m3×150m3×2250kJ/kg÷1000÷3600秒    =0.19kwh
    1ヶ月では約140kwhに相当します。
  従って、熱交換による節約額は、
                             1ヶ月       1年(冬期4ヶ月分)
      電熱式加湿器の場合         3,400円      13,000円
      エアコン+気化式加湿器の場合   1,100円        4,000円
      石油暖房+気化式加湿器の場合    600円       2,000円
    
 全体:暖房機と加湿器の組み合わせによって、熱交換による節減額が変わります。
                              1ヶ月       1年(冬期4ヶ月分)
      エアコン+電熱式加湿器の場合   5,900円       23,000円
      エアコン+気化式加湿器の場合   3,600円       14,000円
      石油暖房+電熱式加湿器の場合  4,800円      19,000円
      石油暖房+気化式加湿器の場合  2,000円       8,000円

まとめ

計算結果がどのような意味を持つのかとても難しいように感じます。強いて、まとめると次のようです。

●温度エネルギーの節約がエアコンで約3千円、1年では10千円となりますが、実際の電気料から効果を実感はできません。また、石油暖房の場合は、効果が少ないですね(暖房の単価が違うため)。

●湿度エネルギーは、理屈の上だけなので、ますます実感できません。

●温度、湿度の計測結果からは、上記の熱交換効率以上のものがあるようですが、これもコスト的に評価すべきかどうかはちょっと疑問です。

●気化式加湿器は、コスト的に有用のようです。我が家は現在電熱式ですので、次の更新では、気化式かハイブリッドタイプも検討しようと思います。(計算上、我が家の場合には、1シーズンで6千円ぐらいの節減効果があるようです)

●夏場の2ヶ月程度は、室内温度の方が高くなります。このため、熱交換システムは、理屈の上では、ちょっと逆効果を生じてしまいますが、温度差が小さいため議論することに意味がないようです。

これで、熱交換システムの運転経費は、排気型に比べると月約1千円程度年間では12千円程度増加します(機種によって違いますので注意が必要)ので、コストからでは換気システムに熱交換型がいいかどうかは判断ができないようです。結論としては、コスト以外のメリットやらデメリットを考えて、換気システムを検討されるのがよろしいようですね。

(2005年8月20日作成)

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・冷暖房のコスト(1)

高断熱といわれている住宅で冷暖房に必要な費用は、どの程度かを試算してみました。計算は、我が家の測定結果をもとにいくつかの数値を仮定しています。結果の冷暖房の費用も、少し安全側(大きめに見積もられています)のようですが、おおむね我が家の状況に合っているものと思っています。

計算の条件
     家の大きさ(延べ床面積):120m2
     Q値:1.5w/m2k (家の断熱性能を表します。SWHの資料では1〜1.5)
     太陽から家に取り込まれる日射エネルギー(1日当たり):
       安全を見て冬17.5kwh、夏23.3kwh(日射による室温の上昇分です)
     暖房:エアコン(COP値3、最近は4とか5になっているようですが)
         電気蓄熱暖房(深夜電力を使います)
         電気ヒーター(いわゆる電熱器)
         石油温水パネル(熱効率90%)
     冷房:エアコン(COP値3)
     エネルギー単価:電気料25円/kwh(深夜電力8円/kwh)
                 灯油45円/リッター(9,000kcal/l=10.5kwh/l)
                  (最近は値上がり気味ですが)

計算式
  暖房の場合
   Q値(w/m2k)×床面積(m2)×室内外温度差(℃)×24(hr)÷1,000-17.5(kwh)
               = 1日当たりの暖房必要エネルギー(kwh)
  冷房の場合
   -Q値(w/m2k)×床面積(m2)×室内外温度差(℃)×24(hr)÷1,000+23.3(kwh)
               = 1日当たりの冷房必要エネルギー(kwh)

計算結果(暖房)
内外温度差10℃(例:外気10℃(我が家の3月の平均外気温)、室内20℃)
         必要エネルギー25.7kwh/日、771kwh/月
 石油暖房   771kwh÷0.9(効率)÷10.5kwh/l=   82リッター    3,700円/月
 エアコン    771kwh÷3(COP値) =        257kwh      6,400
 電気蓄熱式                        771kwh      6,200
 電気ヒータ 771kwh 19,300
内外温度差15℃(例:外気5℃(我が家の1月の平均外気温)、室内20℃)
         必要エネルギー47.3kwh/日、1,419kwh/月
 石油暖房   1,419kwh÷0.9(効率)÷10.5=    150リッター    6,800円/月 
 エアコン    1,419kwh÷3(COP値) =       473kwh     11,800
 電気蓄熱式                       1.419kwh     11,400
 電気ヒータ 1,419kwh 35,500
内外温度差20℃(例:外気0℃(我が家よりももっと寒い地方)、室内20℃)
         必要エネルギー68.9kwh/日、2,067kwh/月
 石油暖房   2,067kwh÷0.9(効率)÷10.5=   219リッター    9,800円/月 
 エアコン    2,067kwh÷3(COP値) =       689kwh     17,200
 電気蓄熱式                      2,067kwh     16,500
 電気ヒータ 2,067kwh 51,700

計算結果(冷房)
内外温度差0℃(例:外気27℃(我が家の8月の平均外気温)、室内27℃)
         必要エネルギー23.3kwh/日、699kwh/月
 エアコン    699kwh÷3(COP値) =       233kwh      5,800円/月
内外温度差−2℃(例:外気29℃(我が家の7月の平均外気温)、室内27℃)
         必要エネルギー32.0kwh/日、959kwh/月
 エアコン    959kwh÷3(COP値) =       320kwh      8,000円/月

まとめ

 まとめがないと寂しいのと結果を評価するのが難しいかもしれませんので、挑戦してみましょう。結果の利用としては、暖房機器の選択や電気料の目安等が挙げられますが、家を造ってしまった後なので、個人的には、利用できません。昔の話なので、以前の戸建て住まいの時にはどのぐらいの冷暖房費なのか、はっきりとは思い出せませんが、一冬に灯油を150リッターぐらいを使っていたのではないかと思います。それで2部屋程度の暖をとり、夜中はかなり寒かったような記憶です。それから比べるとエアコン暖房は費用はかなり増えました(多い月で灯油で3,000円、電熱器で3,000円、合計6,000円が、エアコンになって9,000円ぐらいになったような感じです)が、家全体が暖かく住み心地は格段に良くなりました。この生活実感や計算結果から次のようにまとめられます。

●暖房器具としては、石油暖房、例えば石油温水パネルやFF式石油ヒーター、がコストとしては有利なようです(最近、灯油の値段が上がってきていますが)。エアコンと夜間蓄熱暖房はほぼ同じ程度です。しかし最近のエアコンは効率が高くなってCOP値5の製品もあるようです。こうなるとエアコンも暖房としては、かなり低コストになると思われます。

●エアコンは、このように暖房としても有力ですが、空気を暖めて対流させるため、他の暖房器具のような輻射熱による効果が期待できませんし、エアコンの温風をいやがる人もいます。この点も考える必要があるでしょう(個人的には問題ないのですが)。なお、高気密高断熱の家では空気の乾燥が問題になりますが、これはどの暖房機を選んでも条件はほぼ同じです。

●環境問題(火力発電は効率が40%程度、原子力もかなり利用していますが)や省エネから、電力を問題視している向きもありますが、エアコンに関してはCOP値が高くなっていますので、現在は、逆に省エネではないかと思います。

●高気密高断熱であればあるほど夏場室内の温度は上昇します。また、夜間も室温が下がりません。住まい方を上手に考える(例えば、エアコン設定温度を高くする、夜間は窓を開けて外気を取り込む、日射を遮るようにオーニングなどをする)ことがよいように思われます。

家を造った後では、我が家はエアコンなので、その使い方のヒントが得られるといったところでしょうか。また、エアコンが古くなったので新しいCOP値の高い製品の性能を検討することにも使えそうです。

(2005年8月20日作成)

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・冷暖房のコスト(2)

温度、湿度を測定してかなり年数が経ちますので、毎月の電力使用量とその月の気温の状況との関係を調べてみました。暖房を使えば電力使用量が増え、室内が温められて外との温度差は大きくなるということに着目して、その関係をグラフ化してみました。そのグラフが、この図です。お金でないとわかりにくいというかた向けには、こちらの図も参考にしてください。

我が家の状態
家:2階建て延べ面積110m2
立地:南側全面4m道路、西側12m道路で日当たりは良好
冷暖房:エアコン1階1台、2階マルチ1台、その他電気カーペット、掘りごたつ使用、加湿器は加熱式
その他:調理、給湯はプロパンガス

結果と分析
暖房は、温度差を1度増やすのに72kwh/月の電力が必要です。従って、110m2の家で見ると、
 Q値は 2.7w/m2/k  (COP=3.0)
      2.3       (COP=2.5)
      1.8       (COP=2.0)
    エアコン性能表示は暖房時COP=3 です。冬季には、このほかに電気コタツ、電気カーペット、加湿器も使いますし、電気ポットなどの使用も増えます。

冷房は、温度差を1度減らすのに、64kwh/月
 Q値は 2.0w/m2/k  (COP=2.5)
      1.6       (COP=2.0)
    エアコン性能表示は冷房時COP=2.5です。
という計算結果になります。

まとめ
●断熱性(Q値)
 冬季の暖房器具も考え、Q値は、1.5〜2w/m2/k(スウェーデンハウスの資料では、1〜1.5)程度と想像されます。なお、実際の家では、窓を開けたりするのでちょっと複雑なQ値。
●室内の温度(直射日光の影響)
 冷暖房がなくても室内の気温は、外気よりも6℃程度高くなる(冬は暖かいが、夏は暑い)。夏季でも、月平均としては、室内温度の方が外気よりも高い。
●電力使用量
 冷暖房なしでの我が家の電力使用量は、理屈上は夏季と冬季の線の交点200kwh/月になるが、現実は350kwh/月(春秋の平均的使用量)である。冬季1月の外気温は4℃程度だから、室内の温度を20℃にしようとすると、電力量は、900kwh(2万2千円)程度になると思われる。
●精度
 5カ年間の結果によって、評価しましたが、データの問題(電力量は、東電の資料で、温度測定と期間も多少異なるなどの問題もあります。また、その時その時の住んでいる人の住まい方によってもばらつきがでますので、数値としては、おおよそのものとしてみる必要があると思います。

(2005年8月20日作成) 

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・床下の環境

床下の環境では、温度、湿度が高くて、結露や木材の腐敗などが心配されます。SWHの技術者によれば、床下点検口から観察して、木材や基礎コンクリートの結露がないか、基礎の防湿シート上の砂が湿っていないかなどが判断の基準となるようです。これについては、何回かの点検(最近も、梅雨続きで湿度が高いので、点検しました)でも、これらの心配される状況は、みられませんので、一応は、安心といったところです。もう少し、詳細に床下の状況を観測しようと言うことで、温湿度も測定してみました。結果は、次の表の通りです。
観測期間を通して、毎日の温度、湿度、水蒸気圧の変化は、この図です。
梅雨時の時間ごとの変化は、こちらの図です。床下の湿度が高いですね。
冬期の時間ごとの変化は、こちらの図です。かなり乾燥しています。温度は外気よりも少し高いですね。

1階 2階 屋外 床下
気温 湿度 水蒸気圧 気温 湿度 水蒸気圧 気温 湿度 水蒸気圧 気温 湿度 水蒸気圧
hPa hPa hPa hPa
2003年7月 26.4 67 23.1 26.7 64 22.5 22.3 83 22.2 21.8 89 23.3
2003年8月 29.4 61 25.4 30.1 58 24.7 25.8 75 24.4 24.2 88 26.7
2003年9月 27.0 60 21.7 27.6 57 21.2 23.8 67 19.3 23.3 73 21.2
2003年10月 22.6 56 15.3 22.6 54 14.9 16.7 62 11.6 17.9 62 12.8
2003年11月 20.6 57 13.9 20.1 58 13.8 13.4 74 11.5 14.9 69 12.0
2003年12月 18.8 47 10.2 17.7 50 10.1 7.7 55 5.7 10.2 50 6.3
2004年1月 19.1 42 9.4 18.0 44 9.2 4.9 46 3.9 7.2 43 4.4

●7月、8月の床下は、月平均でも湿度が90%程度あり、大変に湿気の多い状態といえます。雨の日とそれに続く数日は湿度が100%になっており、結露などが心配されます。しかし、12月、1月になると乾燥し、湿度も50%程度になってきます。これが毎年のように繰り返されると思われます。

●水蒸気圧(絶対的な湿り具合を表すと考えていいと思います)をみると、計測器の誤差などもありますが、床下は、ほとんど屋外の湿気の状況と同じと考えられ、床下の通気性は、良いと判断されます。7,8月に床下の湿度が屋外よりも高くなるのは、床下の温度が、外気よりも少し低いためと考えられます。

●しかし、7、8月の床下の湿度が大変に高く、結露などが心配されたので、梅雨時の7月に点検口から床下の状況を確認しました。その結果では、床下の防湿シート上に敷かれている砂も乾燥しており、土台の木材、基礎コンクリートにも、結露や湿気った状態ではないことを確認しました。湿度が90%を越えると結露が生じているといったことが本などにも書かれていたので心配しましたが、データだけではなく、見て確認することも大切だと感じました。

余談ですが、新築時の廃材などを集めて、屋外で保管していました。コンクリートブロックの上に木材を置き、その上にビニールシートをかけてぬれないように処置しておきましたが、5年後になってチェックしたところ、無処理のSPF材の一部は腐ったところも生じ、シロアリのすみかとなったところもありました。慌てて処分しましたが、とんだところで、管理の不行き届きが露呈しました。このことからも、湿気の多い地面のところで、木材を良好な状態に維持することは難しいものであると痛感した次第です。(DIY用に廃材を確保するときに、家の脇などに置いておくと危険かもしれませんね)
 

(2005年8月20日作成)

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